人ごみで埋められた街の中を、“レイ”はぶつからない様に足を進めていた。

 ざわざわと混みゆく街は、大きなイベントを控えてか、慌しくも賑わっている。
 一般の人間なら身動きも取れないほどの混み具合の中、“レイ”だけは誰とも
ぶつからずにひたすら急いでいた。

(!?)

 “レイ”はまた、自分ではない身体の中に入っていた。







              ○ 理屈屋の魔術書 ○

03-02







(嘘でしょ!?)

 一度で終わったはずの悪夢は、続いていたらしい。
 身体があったら






 


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